そうやって新しいマクロ有効Excel Bookを作成。これを入れる所定のフォルダを作り、保存。準備万端にして、新しい Windows VCLアプリケーションも作成。で、これまで勉強した中で、いちばん動作が確実と思えるコードで「ワークシート間で式をコピーする」手続きを作成、コンパイル、そして「実行」。期待通りに、エラーなく、データのコピー(読み出しと書き込み)終了。胸がすっきり。Bookを開いて結果を確認。データはちゃんと書き込まれ、ワークシートが初期化されてる。もちろん、Excelもきれいに終了。タスクマネージャーで確認してもプロセスは残ってない。
お使いのPCで、Visual C++ ランタイム ライブラリのインストール状況を確認するには、[スタート] ボタンを右クリックし、「ファイル名を指定して実行」をクリックして、appwiz.cpl と入力して[Enter]を押します。Python環境を組み込んだ MS_Reader が動作する環境であれば、システムにインストールされている Microsoft Visual C++ ランタイム ライブラリが以下のように表示されるはずです。
エラーを解決するには、Visual C++ランタイムライブラリをインストールすればいいわけですが、上の例のように Visual C++ ランタイムはたくさんあるので、手動でひとつひとつダウンロードしてインストールするより、Visual C++ ランタイムインストーラーを使って全ての Visual C++ ランタイムを一括インストールする方が簡単です。
システムをリカバリする前は、次のようにして Visual C++ ランタイムをインストールしていました。
【ご注意願います!】
ここで紹介する方法で Visual C++ ランタイムをインストールする場合、他のプログラムの実行環境との整合性は、一切保証できません。また、最悪の場合、Windowsが起動しなくなるトラブルが発生することも十分に考えられます。インストール作業の全てが自己責任であることを十分ご理解の上、重大な問題が発生した場合は元の環境に戻せるよう、システムのバックアップを取る・現在の設定をメモに記録する等、不具合の発生に備え、必要かつ十分な準備を整えた上で、Visual C++ ランタイムのインストールを行ってください。
以下のサイトから「Visual C++ v56.exe」をダウンロードしてインストール(私の環境にインストールする分には、なんの問題も起きませんでした。もちろん、マークシートリーダーも問題なく起動し、安定動作しました)。
ここから先は、上記のインストーラーを用いて Visual C++ ランタイムをインストールした際、私が実際に経験したトラブル?です(最終的にインストールは成功しました)。
お決まりのUAC起動後(PCの設定によっては)管理者ID 及びパスワードの入力が求められますが、これを入力すると、そのままPCがフリーズしたような状態になり、数分待機しても進展が見られないので、いったん作業を Ctrl+Alt+Delete でキャンセルし、再度、「Visual C++ v56.exe」を起動して Visual C++ ランタイムのインストール作業を実行、今度はトラブルなくインストールに成功する事例です。これは「ある特定のAD環境下にあるPCのすべてに共通して見られた」現象です。現在もその原因はわかりませんが、ご参考まで。
この初期化を「するか・しないか」で、MS_Reader 起動後、初めてマークを「読む」ボタンをクリックした際のプログラムの挙動がまるで違ったものになります。初期化を行った場合は、ごくスムーズにマーク読み取りが始まるのに対し、行わなかった場合は PC が一瞬フリーズしたような状態になり、その後、息を吹き返すかのようにマークの読み取りが始まります。
Python Engine の初期化コードです。
AppDataDir:=ExtractFilePath(Application.ExeName)+'Python39-32';
if DirectoryExists(AppDataDir) then
begin
//フォルダが存在したときの処理
CheckPython.Enabled:=True;
CheckPython.Checked:=True;
PythonEngine1.AutoLoad:=True;
PythonEngine1.IO:=PythonGUIInputOutput1;
PythonEngine1.DllPath:=AppDataDir;
PythonEngine1.SetPythonHome(PythonEngine1.DllPath);
PythonEngine1.LoadDll;
PythonDelphiVar1.Engine:=PythonEngine1;
PythonDelphiVar1.VarName:=AnsiString('var1');
PythonEngine1.Py_Initialize;
//イニシャライズされたことを記憶
P4D_ini:=True;
end else begin
CheckPython.Checked:=False;
CheckPython.Enabled:=False;
PythonEngine1.AutoLoad:=False;
P4D_ini:=False;
end;
(どこに問題があるのでしょうか?)
PC によっては、この Python Engine の初期化に非常に長い時間を要することがあるようです(エラーメッセージは出ません。この沈黙の時間が終わった後、プログラムは問題なく動作します)。偶然、ある PC でこの現象に巡り合い、あわてて時間を計ってみたところ、その PC では初期化に4分必要でした! なぜ、このような現象が発生するのか、その理由がわからないのですが、「そのようなことがある」ことだけは経験的に明らかですので、ここに書いておくことにしました。
Excel Book への読み取り結果の書き出しは、自分用に(あれば便利かなー☆)と思って作成したものです。ですので、式の入ったセルを保護する等、第三者が使うことへの配慮は何一つ行っていません。セルに入力された式やVBAの内容をご自身でメンテナンスできる方なら、お使いいだけるかな? という程度のシロモノです。
添付した Excel Book はこれまでに何度も「実際に使用して動作に誤りがないことを確認済み」ですが、誤って式を削除したりした場合は(当然ですが)意図した通りに動作しません。ですので、こちらも動作保証は一切ありません。ご使用はあくまでも自己責任でお願いします。この Excel Book に対しても、このプログラムの使用要件にあります免責事項がそのまま適用されますことを申し添えます。
以下、試験実施前に行っておくとよい採点準備作業です。
eFile フォルダに「一般用マークと手書き併用採点シート.xltm」というマクロ有効テンプレートがあります。これをダブルクリックすると「一般用マークと手書き併用採点シート1.xlsx」という名前で新しい Excel Book が作られます。拡張子に注意してください。「.xlsx」です。このままでは期待通りに動作しませんので、適切な名前を付け、拡張子を「.xlsm」(マクロが有効な Excel Book )に変更して eFile フォルダ(必ずこのフォルダに保存してください!)に保存します。
ここでは test.xlsm という名前で保存したことにして説明を続けます。
【インターネットからダウンロードしたマクロ有効 Excel Book の取り扱い】
いつからこうなったのか、わかりませんが、インターネットからダウンロードした拡張子 xlsm の Excel Book をダブルクリックして開くと、次のメッセージが表示されるようになりました。
こうなった時は、いったん Book を閉じて、その Excel ファイルを右クリックして表示されるサブメニューのプロパティをクリックして、全般タブのいちばん下にある「セキュリティ:」の「許可する」にチェックします(チェックする=マクロの実行をご自身の責任で行うことになります。どうか、ご注意ください)。
Excel Book を利用して採点する場合、大変重要な注意事項があります。それは欠席者がいた場合の処理です。該当試験に欠席者がいる場合は、その欠席者の出席番号位置に未使用のマークシートを挿入し、シートが確実に出席番号順に並んでいることを確認してから、スキャナーでスキャンしてください。 ※ 可能であれば、この用途専用に未使用のマークシートを複数枚、最初から手元に準備しておくとよいと思います。
Excel へデータを書き込む際は、上記注意事項を必ずお守りください。この注意を忘れて Excel が起動したまま、Excel Book への書き込みを実行すると最悪の場合、Excel のプロセスが幽霊のように残り、これを終了することが出来なくなって、復旧するには、システムの再起動しかない状態になります。未保存の重要なデータがあるような場合、当然そのデータは失われます。Excel Book へのデータ書き込み時は、Excel が起動していないことを(タスクバーに眠っている Excel Book がないことも含めて)十分確認した上で、書き込み作業を行ってください。
【書き出し処理】
マークシートを読み取り後、読み取り結果のチェックまで完了したら、Excel Book への読み取り結果の書き出しが可能となります。次のようにマークシートリーダーを操作してください。
ファイル名がなぜ「Scanner_A.xlsm」になったかというと、マークシートの読み取り元フォルダとして選択したのが、ProcData\Scanner_A であったためです。プログラムは、マークシートの読み取り元フォルダの名称をそのまま、原本「test.xlsm」をコピーして生成する読み取り結果書き込み先 Excel Book の名称として利用します。
Delphi用とPython用のOpenCVでは、起動時に設定するパラメータの一部が異なっている。Python環境の有無で(具体的にはPython39-32フォルダの有無で判断)、当然デフォルト・パラメータ設定を変えて起動させなければならない。その部分のプログラムを見直していて ini ファイルに「もし、読みだすべきセクション(名)そのものがなかったら?」という場合も想定しておいた方がいいことに、僕は初めて気がついた。
ちなみに、これまで書いてきたのは次のコード。これでも第2引数に指定したキーがなかった場合に加え、第1引数に指定したセクションそのものがなかった場合にも、第3引数に指定したデフォルト値が変数にセットされるから、エラーにはならないのだけれど・・・、ユーザーには「セクションそのものがない」ということが伝わらない。ユーザーがデフォルト値として設定されたパラメータを調整・保存して初めて ini ファイルに「Section1」が生まれる・・・。
uses
System.IniFiles;
procedure TFrmMain.FormCreate(Sender: TObject);
var
Ini: TIniFile;
str01, str02: String;
begin
//iniファイルからデータを読込み
Ini := TIniFile.Create(ChangeFileExt(Application.ExeName, '.ini'));
try
str01:=Ini.ReadString('Section1', '文字列型_XXX', 'ABC');
str02:=Ini.ReadString('Section1', '文字列型_YYY', 'DEF');
finally
Ini.Free;
end;
AAA.Text:=str01;
BBB.Text:=str02;
end;
つまり、これまでの僕のプログラムは、各パラメータ値の設定とデフォルト・パラメータの設定を記録したセクションが「必ず ini ファイル内にある」という大前提で動いていたわけだ。Ini.ReadString の第3引数で「セクション」や「キー」がなかった場合のデフォルト値を指定してあるから、ini ファイル内にそれらがなくてもエラーは発生しないのだけれど、ほんとうにそれでいいのか? って、そう考えるとそれは「よくない」気がして・・・ならないし。
private
{ Private 宣言 }
//Python4Delphiの有無を知るフラグ
P4D_Exist:Boolean;
procedure TFormMSReader.CMShowingChanged(var Msg: TMessage);
var
strMsg: string;
begin
inherited; {通常の CMShowingChagenedをまず実行}
if Visible then
begin
Update; {完全に描画}
if not P4D_Exist then
begin
strMsg:='読み取りパラメータの設定が、デフォルト値となっています。'+#13#10+
'必要に応じて読み取りパラメータの調整を行い、'+
'「設定を保存」ボタンがアクティブな状態で保存してください。';
Application.MessageBox(PChar(strMsg), PChar('情報'), MB_ICONINFORMATION);
end;
end;
end;
function MessageBox(const Text, Caption: PChar; Flags: Longint = MB_OK): Integer;
所有者ウィンドウへのハンドルが確かに省略されている。
実際のコードで、Windows.MessageBox とした場合には・・・
procedure TForm1.Button4Click(Sender: TObject);
begin
Winapi.Windows.MessageBox(Handle, PChar('Do you know Delphi?'), PChar('情報'), MB_OK or MB_ICONINFORMATION);
end;
だったのが、第一引数のHandle は必要なくなり、( OK ボタンのみの表示でよければ)MB_OK も省略できるようなので、次のように
procedure TForm1.Button3Click(Sender: TObject);
begin
Application.MessageBox(PChar('Do you know Delphi?'), PChar('情報'), MB_ICONINFORMATION);
end;
・・・とずい分、短くなる。それどころか、PChar型への型変換も省略可能なようで・・・
procedure TForm1.Button5Click(Sender: TObject);
begin
Application.MessageBox('Do you know Delphi?', '情報', MB_ICONINFORMATION);
end;
var
strMsg:string;
begin
strMsg:='メッセージ';
Application.MessageBox(PChar(strMsg), PChar('情報'), MB_ICONINFORMATION);
end;
別の文字列型変数をさらに代入したり、また、改行を含む表示も、
procedure TForm1.Button2Click(Sender: TObject);
var
strMsg, strPath:string;
begin
strPath:='C:\abc\def';
strMsg:='出力先は次の場所です。' + #13#10 + #13#10 + strPath;
Application.MessageBox(PChar(strMsg), PChar('情報'), MB_ICONINFORMATION);
end;
複数のボタンを表示。例えば、「はい」・「いいえ」の二択なら、
procedure TForm1.Button3Click(Sender: TObject);
begin
//Information
if Application.MessageBox(PChar('Do you know Delphi?'), PChar('情報'), MB_YESNO or MB_ICONINFORMATION) = mrYes then
begin
//[はい]が選ばれた時
Application.MessageBox(PChar('Gooooooooooooood!'), PChar('情報'), MB_ICONINFORMATION);
end else begin
//[いいえ]が選ばれた時
Application.MessageBox(PChar('No!'), PChar('情報'), MB_ICONINFORMATION);
end;
end;
ユーザーに「キャンセル」も許可するなら、
procedure TForm1.Button4Click(Sender: TObject);
var
StrMsg: String;
intRet: Integer;
begin
StrMsg := 'Do you know Delphi?';
intRet := Application.MessageBox(PChar(StrMsg), PChar('情報'),
MB_YESNOCANCEL or MB_ICONQUESTION);
if intRet = mrYes then begin
//[はい]を選択した時の処理
end else
if intRet = mrNo then begin
//[いいえ]を選択した時の処理
end else
if intRet = mrCancel then begin
//[キャンセル]を選択した時の処理
Application.MessageBox(PChar('ユーザーによる処理のキャンセル'), PChar('情報'), MB_ICONINFORMATION);
end;
end;
procedure TForm1.Button5Click(Sender: TObject);
begin
Application.MessageBox('Do you know Delphi?', '情報', MB_OK or MB_RETRYCANCEL or MB_ICONINFORMATION);
end;