Lubricate the clutch wire

クラッチワイヤーのメンテナンス

バイクのクラッチレバーの付け根部分のグリスの汚れがひどくなってきた。
今日は時間もあることだし、クラッチレバー周辺をきれいに掃除しようか・・・と思った時、もう長いことクラッチワイヤーに注油してなかったことを思い出した。

清掃と注油。どうせならいっぺんにやってしまった方がいい。

そう思ってネットで検索すると専用の工具(ワイヤーインジェクター)を使わずに、でもムダなくスマートに注油する方法を発見。さっそく、やってみた。

買ってきたのはコレ!

で、専用工具(ワイヤーインジェクター)の代わりに用意したモノは、コレ!
(こっちは仕事でよく使うので、家に買い置きがたくさんあった)

チャック付きで、密封できることがポイントだそうです。(やってみて思いました。確かに!)
袋の大きさは幅50mm、高さ70mm、厚み0.08mmで強度が高いタイプ。
材質はポリプロピレン(PP)。

で、ケーブルのタイコ部分がギリ通過するよう、ポリ袋の右下をカットします(赤い点線部分)。失敗したくなかったので、最初は小さめに切って、取り外したケーブルのタイコ部分の大きさに合うよう、後から少しずつ穴を大きくしました。

赤の点線部分を小さめにカット

以下、ゼファー400での作業例です。
(他のバイクの場合、クラッチワイヤーをレバーから取り外す手順が異なります)

クラッチワイヤーの先端部分のタイコをクラッチレバーから外すため、クラッチレバーを前側に押して、アジャスタを「5」にセットします(5◀の状態)。こうすると、クラッチレバーが後ろに下がって、ケーブルのタイコ部分が外せる状態になるようです。

アジャスタを「5」にセット。

アジャスタの現在の状態を記録しておきます。ケーブルの交換ではないので、後からこの数値にセットすれば外す前の(=現在の)状態に戻るはずです。半クラッチの感覚(=レバーの握り代)は、アタマというより左手が覚えていますから、この数値は重要です。

現在の状態は「6mm」

ロックナットを弛めて、アジャスタを右へねじ込んで(写真のような状態)、クラッチレバーとロックナットとアジャスタの切り欠き(溝)とが一直線になるようにして、ケーブルを(写真の状態で向かって左へ)引っ張ると、アジャスタからアウターワイヤーのキャップ部分がうまいこと抜けてくれました(これで抜けない場合は、エンジン右側上のロックナットを弛めるんだそうです)。

アジャスタの回転が渋いのは、汚れたグリスに混じった砂?を噛んでいるためでした。
パーツクリーナーとナイロンブラシで清掃したらクルクルよく回るようになりました。

ワイヤーを外し、清掃した段階で、ケーブルの状態をチェックしました。サビやケバ立ち等はなく、30年前に買った時のままの純正ケーブルですが・・・ まだまだ大丈夫のようです。

ポリ袋にあけた穴にワイヤーケーブルのタイコ部分を通して、アウターワイヤーのキャップ部分がちょっと袋に入ったところで、穴の周囲にガムテープを巻き、ポリ袋とアウターワイヤーのキャップ部分を一体化させます。後でポリ袋に入れる潤滑油がすべてケーブル内へ流れ込むように、アウターワイヤーのキャップ部分をポリ袋内へ深く挿入しすぎないことがポイントです。

キャップ部分は浅く(少しだけ)ポリ袋に入れます。

ガムテープは、しっかりきつめに、2重巻きしました。

ここから潤滑油が漏れないことを祈ります・・・

流れ出た潤滑油を受ける、使い古した布をエンジンの上に用意します。

ポリ袋に潤滑油を注入します(見た感じで2~3ccくらい?)。注入後はポリ袋のチャックをしっかり閉じます。購入してきた潤滑油は発泡性で、ポリ袋がどんどん膨らみ、このガスの圧力で注油がスムーズに行われました。

潤滑油がすべてケーブル内に入るよう、ポリ袋の傾きを調整しながら作業しました。

途中、ガスの圧力が高まり、ポリ袋がパンパンになってチャックが開いてしまうかと思われたので、片手でチャック部分を押さえ、密閉状態を保ちました。

この後、ポリ袋はさらに膨らんだのでチャック部分全体を押さえました。

およそ1分後、注入した潤滑油が反対側から出てきました。

潤滑油は、初めから茶色だったので、これはアウターケーブル内の汚れではありません。

またとないチャンスですから、クラッチレバーと、その周辺もキレイに清掃しました。パーツクリーナーを吹いて、古いグリスを洗浄液で洗い流し、クラッチワイヤーの通り道をきれいにしました。結果、バイクは確かにキレイになりましたが、古いグリス混じりの洗浄液の跳ね返りが大量に飛び散って、服のあちこちに黒いシミが・・・。

早く脱いで、洗剤に漬けて、なんとか処置しないと・・・
彼女に叱られる・・・

写真に撮るとあちこち塗装が剥げていて、あらためて古いバイクだなーと思います。
このバイクを買ったとき、僕はまだ22歳だった・・・。

新しいグリスを塗って、クラッチワイヤーを元通りにセットします。

30分程度で作業は完了しました。

作業後、クラッチは思ったほど軽くはならず、むしろ、操作感の違い・・・今までのなんとなく「モッサリ」した感じから、元気溌剌とした感じに・・・ の方が印象に残りました。

服は汚れたけど、おもしろかったー☆

まとめ

(1)クラッチワイヤーへの注油は専用工具がなくても行える。
(2)ポリ袋は厚めを使用、発泡性の潤滑油を注入すると効率よく作業できる。
(3)パーツクリーナーの洗浄液の跳ね返りを浴びてもよい服装で作業する。

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